ニュージーランドは傷ついた心を癒してくれた

ニュージーランドは綺麗な国らしい。羊の数も多く牧歌的なイメージがある。ニュージーランドに自分探しの旅に出かけた女性がいた。日本社会で心身が疲れたと言う。何に疲れたのかと聞くと、悪い男に引っかかったと言う。何が悪いのか具体的に聞きたかったが、生々しい話になると困るので曖昧なままにしていた。それから数年後、友人が写真を持って我が家に遊びに来た。「見て、凄いでしょこの牛の大きい事」と数枚の写真を見せてくれた。巨大な牛の群れの中に、逞しい大柄な外国の男達と小柄で華奢な日本の女の子が写っていた。「牧場で働いているの、これが付き合っている恋人」と友人は言う。「いろいろあったけど、元気に牧場で働いている」とふっきれた顔で言う。学生時代は優等生だったが、何かがあり家を出て傷ついてニュージーランドで癒されたのだろう。恋人はエクアドル人と言っていた。頑強な男達の中で彼女は額に汗して働いたのだろう。昔の神経質そうな面影はなく、陽に焼けた健康そうな笑顔の写真だ。彼女は何でニュージーランドまで行ったのだろう。北海道ではだめだったのかしら、北海道でお嫁さんの来てがない牧場もたくさんあるのに、よりによってニュージーランドで国際結婚か・・・と自分の娘に重なり現実的な感情が湧いた。あれから数年経ったが、その後どうしたとは聞いていない。現地で結婚したのか、別れて日本に帰国したのか気にはなるが、いろいろあるのが人生だ。